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執筆者の写真yasu

今、キテいるアイドル「DESURABBITS」が、下北沢ガーデンのワンマン公演で作り上げた滲む笑顔に包まれた至福の景色

 DESURABBITSが今年に入って掲げた"兎革命"自分たちのスタイルを明瞭化し、大きなステップを踏むために挑戦したのが、9月14日(土)に下北沢ガーデンで行われたDESURABBITS ワンマン LIVE「兎革命 vol.2 -seicho-」。先行でリリースしたシングル「Magic of Butterfly‐成蝶‐」は、オリコンーチャートで過去最高位を記録。当日の会場にはフロアを埋めつくす人たちが来場。開演前からフロアにはムンッとした熱気が生まれていた。



 OPは4人のメンバーキャラクターをコミカルに深掘りしぶった切る「全力お騙しタイムズ」と題したドッキリトーク番組風の映像でDESURABBITSらしく会場を笑いに包み込み、ライブは「アイドル STAR WARS」から幕を開けた。激しさとチャーミングな魅力を重ね合わせた楽曲と「みんなではしゃごう」と歌う3人の声に合わせ、フロアは感情のギアをトップに、ライブの空気は早くも熱を帯びだした。「お洒落キャパ部長」では観客たちを可愛らしく煽りつつも、3人はスタイリッシュな表情を提示。「なんで なんで なんで」とみんなで歌声を交わした「なんで?」に描いた心ときめかす風景と、序盤のDESURABBITSは熱を上げた中にもポップな表情で観客たちの心にワクワクとしたときめきを描きだした。


 「しょっぱなからとてもとても楽しい」と声を上げたのがYUZU。「私達のちからで世界を変える」と歌う「怪獣ANPONTAN」を通し、彼女たちは可愛い牙を剥き出しに観客たちへ襲いかかれば、「失恋したらWASABI」では哀愁を抱いた姿から「WASABI WASABI」と熱い声のやり取りも登場、1曲の中へ“わびさび”を抱いた様を提示してゆくのもDESURABBITSらしさ。そのままライブは、メドレーコーナーへ。次々と楽曲の洋服を着替え、DESURABBITSは多彩な音楽性を示しながら、フロアに渦巻いていた熱をどんどん攪拌。何時しかフロアは拳振り上げ騒ぐ人たちに支配されていた。


 「そろそろ夏が終わっちゃうね」のKARINの言葉を受け、夏のライブの景色を呼び戻すようにDESURABBITSは「中ニの夏。おじさんの夏」へフロア中の人たちが汗だく、共に流した汗こそが熱狂の勲章だ。フロアに生まれた夏の空気をさらに祭るように届けたのが、「お祭りJAPAN!!告白Night」。恋する胸の内を告白する3人の甘えた歌声に胸がキュッと疼きだす。YUZUの声を合図に、フロア中の人たちが走りながら大きなサークルを作りだす。頭空っぽに無邪気に祭り上がったこの感覚がたまらない!!


 KARINの「みなさん感じるままに楽しんでくれますか」の声を受けて初披露されたのが、KARINの初センターソロ?曲「Don't think, Feel!」。BUCHOのドスの効いたデスラップに乗せ激しく攻め込む楽曲が、サビで転調すると同時にメルヘンな表情に変貌、KARINの甘えた歌声が会場中を甘く包み込んでいく「あっ、これはBUCHOとのデュエット曲だった」とKARINのワールドトークブリッジ「ねぇねぇみんなカリコのことが大好き?」など、KARINの甘えた誘いコールに心もメロメロだ。


 「歌への想い」を語るEMIのインタビュー映像を受けて披露されたのが、EMIのソロ曲であり、初お披露目になったロッカバラード調の「東京の隙間~DESURABBITS from EMI feat.X~」。様々な人々がひしめく都会の中、「生まれてきた意味はわからないけど~今日も歌ってる」と心揺れるままに歌うEMI。彼女の背景では、YUZUがコンテンポラリーダンスでEMIの心模様を具象化してゆく。「私はここにいる ずっとそばにいる 同じ夢を君と見ていたいだけ」と強い意思を込めて歌う言葉が、彼女たちの叶えたい夢を共に追いかけ続けてきた仲間たちのハートに最高のエールとして響いてきた。


 歌い終わりMCで、「“愛してる”の意味も“恋”との違いもいつか分かるそんな日が来ればいいよと歌う二番のサビの歌詞が一番好き」とEMI、「この歌は、アイドルさんは誰もが共感出来る歌詞」とKARINが語っていたように、気になる方はチェックしていただきたい。


 「明日の私はともっと自由に笑えていますか?」と歌うEMIの声から幕を開けた最新シングルの「Magic of Butterfry」を通し3人は、ラウドする演奏の上で美しく可憐に歌声の翼を羽ばたかせる。両手を大きく広げながら華麗に歌い舞い踊る姿が、美しくもエレガントだ。「どんなに苦しい時でも僕らは一人じゃないから」と歌う声が、弱さや傷を持つ心にエールとして響いてきた。同時に、サナギから蝶へと生まれ変わった姿と、新たな魅力を身につけ羽ばたき始めた今のDESURABBITSの姿が重なって見えていた。「卒業少女-未来絵-」では、愛らしさを持って想いを唱える3人。少女特有の危うさに触れるたび熱狂へ落ちていきたくなる。彼女たちの心の成長に合わせ歌の表情も変化。ドラマチックな曲展開に熱いエールを送りたくなる気持ちも納得だ。


 「この2曲はわたしたちが今年から掲げている兎革命のテーマ曲たち」とメンバーも語るように、これらの楽曲たちが、これかちのDESURABBITSの未来を指し示す軸になっていくに違いない。


 「私ワンマンでやりたいことがあって、ステージから後ろの人との距離が遠いじゃん、もっと近くに行きたいなと思ってさ」とYUZUが語ると同時に、海を渡るモーゼのようにフロアの真ん中に道が生まれフロアーへ飛び込んだYUZUを囲むように、巨大なサークルが誕生。歌ったのが、YUZUのセンター曲「でも、逃げんな」だ。フロアの中心でお客さんたちに囲まれながらMIXの声も飛び交い「でも逃げんな、戦うんだって」と絶叫するYUZU。逃げないどころか、彼女はフロアのど真ん中で観客たちを輪の中へ中へと巻き込んでゆく。そのパワーこそ、今のYUZUの魅力だ。YUZUの「最高!!」の声を受け、楽曲は未発売の新曲「RAY WORD」へ。重く疾走する楽曲の上で無邪気に、でも、確かな意志をぶつけてゆく姿は、彼女たちのライブに似合うユニフォーム。フロア中にこだまする「RAY WORD(レイワ)」コール。「わたし達らしく 敢えて行こうよ」の声に拳を振り上げ熱いエールを送る観客たち。その言葉を信じて、これからもずっとDESURABBITSについていきたい!!


 止まることなく楽曲は「2nd Attack」へ。猛々しい楽曲の背景から聞こえるBUCHOのデスラップも嬉しいインパクトだ。激しく走る楽曲の上で、3人は可愛さたっぷりに「にゃんこ 子にゃんこ 大にゃんこ」と歌いだす。メンバーらと観客たちによる熱した掛け合いも含め、可愛さに心が熱く震えながらも、3人の誘いに胸を騒がずにいれなかった。さらに「うさぎストリーム2」では躍動的なダンスパフォーマンスを通して観客たちを煽りだす。フロアでも、観客たちが3人の動きに合わせぴょんぴょん飛び跳ね叫び続けていた。彼女たちが飛び跳ねるたびに熱が大きく脹らんでゆく。そして…終盤に。


 「一緒にぴょんぴょん出来る?!」の声を合図に、右手をうさぎの耳に見立て「うさぎのきもち」を歌いながら左右に飛び跳ねる3人に合わせ、フロア中の人たちが同じく左右に民族大移動。「現場こいやー」の声に同じく声を張り上げ熱狂する様も、ライブだからこそ味わえる光景だ。高ぶった熱へ情熱を描き加えるように定番曲「デスラビッツ軍の七ケ条うさぎのきもち」へ。激しく荒々しく煽るBUCHO。どんどんカオス化してゆくフロア。途中飛び出した、DESURABBITSのライブを楽しむための七カ条。その誓いを胸に、誰もが「We Are デスラビッツです」と3人と一緒フロア中から響く大きな叫び声が唸りをあげてゆく。


 本編最後にDESURABBITSは「ラストソング」を歌唱。フロア中の人たちが上げ上げの祭りナンバーに合わせ互いに気持ちをわちゃわちゃときめかせ、ときにはMIXをぶつけながら、魂を無邪気に開放する空間へ嬉しく溺れていた。あふれんばかりの笑顔で歌う彼女たちの姿を観るたびに、こっちまで幸せに心が支配されてゆくのが嬉しい。「前を前を見続けるから」と笑顔で主張する姿を見るたびに、僕らも楽しいこの空間をずっと共有しながら、DESURABBITSと一緒に夢を見続けたい気持ちに心は染まっていた。


 アンコール曲の前に嬉しいお知らせが。この日の模様を収録したLIVE DVDの発売。そして、本編で初披露された「東京の隙間」を「すべての夢みるアイドルに捧げる」をテーマにMVを(10月初旬に)公開することが決定。さらに、3枚目となるアルバムの制作が決まったことを報告してくれた。


 素敵なお知らせを受け、アンコールは「恋する季節」へ。胸をキュッと疼かせるキラキラとした青春模様の見える楽曲だ。可愛い3人の歌声から、一変、BUCHOの呪文を唱えるようなラップへ絡むように楽曲が激しく轟きだす。ラウドでチャーミング、爆音で歌物ポップしてゆく、まさにDESURABBITSらしい表情じゃないか。


 最後の曲の前に、メンバー一人一人がこの日のLIVEの想いを語った。


 「今回のテーマが成長。個人的には前よりも緊張しなくなったし、裏声もちょっと出るようになったし、最近ダンスも上手くなったねって言ってもらえるようになって、すごく嬉しかったし、すごく成長できてるなって思いました。以前は、歌うのが怖くなって声が出なくなったときもあったけど。でも今は6年間アイドルをやってきて良かったなって思ってるし、やってきたことは後悔していないので、今は、もう少しDESURABBITSのEMIでいたいなと思います」(EMI)


 「6年間DESURABBITSをやってきて今思うことは、「やっぱDESURABBITSで良かったな」ってこと。わたし、ライブをやっている自分が唯一好きというか。ライブをやっているときは本当に楽しくって。これも、みんなのおかげです。ずっとみんなと一緒にいたいからまだまだ成長できるように頑張るし、私たちの成長をみんなに見続けてもらいたいなと思ってます」(KARIN)


 「ここに立てるのも、ここにくるまでの道のりも当たり前じゃないこと。本当に感謝しかありません。この間初めて4人だけでオフの日に集まって深い話をして、4人号泣だったよね。これからも、我々にしか出来ないものをみなさんに飽きさせないように見せていくので、応援よろしくお願いします」(BUCHO)


 「ワンマン前ってYUZUは怪我しがちなの。だけど、膝が壊れたのは初めてで、ゲネも全力で踊れなくてすごく悔しくて。みんなの前で踊れることが当たり前じゃないなと思えば、みんなが来てくれることだって当たり前じゃないとも改めて感じたように、今日は本当にありがたいなと思ってて。何時も「ライブが世界化一大好きだよ」と言ってるんだけど、今日はまさにその通りで。今回目標のSold Outにはならなかったけど、1曲目でみんなの顔を見たときは本当に嬉しくて。6年間歌い続けてきて本当に良かったなと思いました。この4人と、ここに来てくれたみんなや来れなかったみんなと、昔出会った人たちにも、これから出会う人たちにも感謝の気持ちを忘れずに、みんなと一緒に一歩ずつ成長していけたらなと思っています。これからもずっとYUZUたちはDESURABBITSで有り続けるので、みんなも好きで居続けてくれたら嬉しいし、みんなでまた最高の空間を作れたらなと思います」(YUZU)


 最後にDESURABBITSは訪れた人たちへ感謝の気持ちを歌で伝えるように「世界中にありがとう」を届けてくれた。ここに至るまでの熱狂を振り返り、胸の宝箱へ一緒に思い出を仕舞うように、彼女たちは「心の底から伝えたい ありがとう」と歌いかけてきた。その言葉を受け、フロア中から飛び出した「ありがとう」の絶叫。その言葉を耳にし、3人は涙ぐんでいた。互いの想いが一つに重なり合い、互いが本気で感謝し、また会いたいと願う。その気持ちがこれからも繰り返される限り。その輪にもっと大勢の仲間を加えながら、DESURABBITSはこの素敵な光景をもっともっと光輝かせ僕らの前に広げてゆくだろう。言葉のひと言ひと言を噛みしめながら、「本当の世界中にありがとう」と歌う彼女たち。心から素直に零れる「ありがとう」の声を響かせ、DESURABBITSのライブはみんなと再会の約束を交わしながら幕を閉じていった。


 アイドルというカテゴリーの中で一人の脱落者、メンバーチェンジもなく、6年間の月日を積み重ねてきたDESURABBITS、この日ステージで見せた4人の絆、成長、ありのままま等身大のキャラクターの魅力、さぁ、次はどんな滲んだ笑顔になれる景色の中へ連れていってくれたのか楽しみだ。


 滲んだ景色は、嬉し涙が見せた風景だったのはわかってくれるよね。


TEXT:長澤智典

PHOTO:川村将貴


DESURABBITS Web


DESURABBITS twitter


★映像★

DESURABBITS『Magic of Butterfly‐seicho‐』


―セットリスト―

「アイドル STAR WARS」

「お洒落キャパ部長」

「なんで?」

「怪獣ANPONTAN」

「失恋したらWASABI」

「メドレー:Anger~Hell Near 部長~働き過ぎだよ日本人~ですまスプリング~茶番茶バンバン~日本たまご協会公式ソング)

「中ニの夏。おじさんの夏」

「お祭りJAPAN!!告白Night」

「Don’t think, Feel!」

「東京の隙間 From EMI feat.X(YUZU)」

「Magic of Butterfry」

「卒業少女-未来絵-」

「でも、逃げんな」

「Rayword」

「2nd Attack」

「うさぎストリーム2」

「うさぎのきもち」

「デスラビッツ軍の七ケ条うさぎのきもち」

「ラストソング」

-ENCORE-

「恋する季節」

「本当の世界中にありがとう」



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