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執筆者の写真yasu

つるの剛士、自ら声優を務めたオリジナルアニメ「火の鳥“道後温泉編”」をPR。道後温泉と「火の鳥」がコラボした作品で、つるのは「手塚先生自身が火の鳥では」とコメント

 日本橋三井ホールCOREDO室町で、保存修理工事中の道後温泉本館(愛媛県松山市)で行われている「道後REBORN」プロジェクトを紹介するイベント「FLOWERS BY NAKED 2020 -松山・道後NIGHT-」が開かれ、手塚治虫原作「火の鳥」とコラボしたオリジナルアニメーション「火の鳥“道後温泉編”」で声優を務めるタレントのつるの剛士さんらがトークショーを行った。



 松山市を代表する観光スポットで国重要文化財でもある道後温泉本館は、耐震補強などのために保存修理工事をしながら営業中。工事期間ならではの楽しさを演出するため、オリジナルアニメの配信や、工事中の部分をすっぽり覆うラッピングアート、プロジェクションマッピングなどさまざまな企画が展開されている。


 道後REBORN公式サイトなどで無料で視聴できるオリジナルアニメ「火の鳥“道後温泉編”」は、第2話「子規と漱石」が2月1日に公開されたばかり。つるのさんは、神話時代に道後温泉の守り神だった大国主(おおくにぬし)と、明治時代に道後温泉本館を改築した町長、伊佐庭如矢(いさにわ・ゆきや)の2役を務めている。トークショーには、つるのさんと手塚治虫さんの長女で手塚ブロダクション取締役の手塚るみ子さん、プロジェクションマッピングを担当しているネイキッドのジェネラル・マネージャー、中川伸作さんの3人が登壇。軽妙な会話を繰り広げた。


 つるのさんは「道後の歴史に刻まれるような企画に参加させていただいて光栄です。道後温泉は何度も訪ねていましたが、これだけの歴史があるということを知らなかった。普通は改修中というと寂しい感じになるのが、ひとつのアトラクションとして生まれ変わりを体験できるという、素晴らしいプロジェクトだと思います」。


 「火の鳥“道後温泉編”」は、2019年5月にプロローグ「大国主と少彦名」と第1話「聖徳太子、来浴」が公開された。第2話の舞台は明治時代。老朽化していた道後温泉本館は明治27年、道後湯之町の町長だった伊佐庭によって改築された。立派になった道後温泉を俳人の正岡子規とその友人の夏目漱石が訪れて……。時空を超えて描かれる「火の鳥」の新たな物語だ。


 つるのさんの伯父でイラストレーターの鶴野久男さんは、手塚治虫さんの主宰する虫プロ出身だという。しかも、それとは別に、共通の友人がいたことから、10代の終わりに手塚るみ子さんとよく食事をしにいっていたという。「まさかこういうかたちで、ご縁がつながるとは思っていませんでしたし、不思議でしようがないです。もうこれは火の鳥ですね」とつるのさん。



 プロジェクトが始まってから道後温泉を訪ねたという手塚さんは「あちこちに火の鳥の装飾があって賑やか。ラッピングは巨大な火の鳥が舞い降りて、再生のエネルギーが本館を包み込んでいるようだった。天国にいる手塚からも見えるようなスケールで、喜んでいるのでは」「父は、漫画家なんて死んだら忘れられると話していた。こういう形で作品がよみがえってくれるのはうれしい。手塚ができなかったことを、2倍にも3倍にもして届けてもらえている。とてもありがたいこと」と話した。


 父の作品を次の世代につないでいく活動をしている手塚さんを、手塚作品「ブラックジャック」に出てくるキャラクターにちなんで「リアルピノコですからねえ」と親しみを込めて呼んだつるのさん。手塚イズムが息づいていると感想を述べ、「手塚先生自身が火の鳥だったような気がします。手塚イズムが残り続けている。生まれ変わって続いていく感じ」。


 これを受けて手塚さんは「生物学的な遺伝子は限られているけれど、文化的な遺伝子は死んでいない。次の世代がクリエイティブなことをみて、またやってみようと試みる。バトンがどんどん渡されていって、作家は永遠の命をもらえる」と話した。


 つるのさんは「REBORNは再生じゃなくて新生だなって思ってます。新しく未来に向けて次の作品が生まれている感じ。道後温泉の歴史に自分も関わることができていて、100年後に僕らのことを描いた作品が生まれるかもしれない。このブロジェクトはめっちゃ楽しいです」。


 道後温泉本館のプロジェクションマッピングは、アニメ第2話の公開に合わせて、2月21日から新作の「道後温泉×ネイキッド MESSAGE -子規と漱石-」がスタートする。上映を担当しているネイキッドは、樹木や生花とプロジェクションマッピングなどを組み合わせたアート展「FLOWERS BY NAKED 2020 -桜-」をいま、COREDO室町で開催中。トークショーはその会場の一角で行われ、来場者はデジタルアートの可能性や魅力を体感していた。中川さんは「尊敬する手塚作品と一緒に新しいチャレンジをさせてもらうのを楽しんでいます。ぜひ体験しにきてください」。



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