チャット小説アプリ「Balloon」を展開しているFOWDによる、日本初の「チャット小説大賞」の授賞式(表彰式)が15日、都内で行われ、同賞の特別審査員を務めるモデル・女優・タレントの久間田琳加が出席した。
2名が対話式で行うチャットの形態を使った小説である「チャット小説」は、2015年ごろに海外で話題となり、それに目をつけた現FORD社長の久保田氏が2017年6月に会社を興し、7月にBalloonアプリをリリース。その後、さまざまな支援・投資を受けながら事業を拡大し、昨年末にはチャット小説である「僕なら、泣かせたりしない」が初の映像化を果たすなど、事業のみならず、チャット小説そのものの認知度も向上し、順調に普及してきているという。
チャット小説は、Z世代(2000~2010年ごろに生まれた子)に圧倒的な支持を得ているとそうで、Balloonアプリ利用者の9割は18歳以下で、しかもその8割は女性が占めるという。現在、約40万のコンテンツを揃え、その98%は一般からの投稿作となっているそうだ。
さて、本日授賞式を行った「チャット小説大賞」には、385作品の応募があり、審査の末、9作品が最終候補作としてノミネート。そこから、久間田を含めた各界の識者が審査を行い、大賞、優秀賞、そしてBalloonの各賞が決定した。
大賞に選ばれたのは、23歳の会社員「春ルナ」作の「隣の席の江田君は」。これは、オレ様系のイケメン江田くんと、ひょんなことから席が隣同士になった引っ込み思案のさくらの織り成す青春ラブコメディ作。
原作の春は、本作を読んで「今しかない大事な時間を大切に過ごしてほしい」というメッセージを発していた。表彰状を授与した久間田は、「ラブストーリーが大好きなので、王道的なラブコメにキュンキュン、物語の展開にドキドキしながら読みました」とにっこり。
優秀賞は、17歳高校3年生「実」作の「私の裏稼業。」。これは、昼は現役高校生だが、夜になると殺し屋とハッカーという別の顔を持つ男女クラスメイトペアの稼業を軸にしたミステリー作。原作の実は、「授業中」にプロットを思いついたそうで、「そのまま書き進めた」そうで、すでに次回作の構想もあるという。
Balloon賞を受賞したのは、なんと中学2年生の「くるむ」作の「男装がバレてヤバそうです」。タイトルの通り、やむを得ぬ理由により女子であることを隠して男子校に進学した小夜は、入学早々男装がバレてしまい……。しかも、恒例行事のキーマン(キーウーマン)として注目を集めることに……という展開。原作者のくるむは、「自分がこうなったらいいな」という妄想から、本作を着想したのだという。
審査員を務めた久間田は、チャット形式の小説の文体(構成)に「人の会話を盗み見しているみたい」という初々しいコメントに加えて、「とても読みやすいので、10代との親和性はいいと思います」と感想を口にしていた。日常でもチャット小説に接する機会は多いそうで、「1話1話が短いので、たとえば駅間でもサクッと読めてしまうのがいいですね」と笑顔で語っていた。
授賞式のあとは、那智をゲストに迎えて、久間田と二人で大賞作「隣の席の江田君は」を生朗読。やる前も、終わった後も、二人とも「緊張する」と声を揃えてコメントしており、中でも久間田は「(セリフを)言葉にすると、より恥ずかしさが増す」と赤面していた。
なお、今回大賞受賞作「隣の席の江田君は」は、副賞として今後メディア化が予定されているが、そのほかの最終候補作(8作品)についても、メディア化の構想はあるという。また、「第2回 チャット小説大賞」も開催予定という。
会見後、囲み取材に応じた久間田は「朗読はとっても緊張しましたけど、王道的なラブストーリーは大好きなので、物語の展開にドキドキしながら、読ませていただきました」。今回の応募作のテーマが「等身大の恋・理想の恋」だったことにちなみ、自身の理想について聞かれると「浴衣を着て夏祭りに行きたいです。タイプは、肩幅の広い人かな。後ろ姿に惹かれます」と好みを口にしていた。
また、執筆は?と報道陣に聞かれて「考えたこともなかったですね。でも、妄想が好きなので、ゆくゆくはチャレンジしてみたいです」。(最終候補作の中のキャラで)演じてみたいのは?という質問に「『男装がバレて……』の、男の子いっぱいいる中に、女の子が入ってしまったという世界観はもう、題名を見ただけで面白そうと思ったので、(その主役)小夜を演じてみたいですね」と答えていた。
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