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執筆者の写真yasu

映画「もみの家」が富山県で先行公開。穏やかな映画の裏に苦労の連続!? 「南沙良」は筋肉痛、「緒形直人」&「田中美里」は終わらない人生ゲームに悪戦苦闘?

 ブルーリボン賞新人賞他数々の新人賞を受賞した若手実力派女優南沙良を主演に迎える、坂本欣弘監督の最新作『もみの家』が全国に先駆けてロケ地・富山県での先行公開が始まりました!



 今年は例年にも増して暖冬の富山県。前日には珍しく雪が降ったにも関わらず、舞台挨拶の当日、2月28日には朝から晴れ間が広がった。さらに映画業界でも自粛ムードが漂う中で満を持して行われた舞台挨拶では、割れんばかりの拍手と共に、地元富山への愛に溢れる観客が、対策万全の中で、今日のために富山入りをした出演者一同と監督をあたたかく迎え入れた。


 舞台挨拶では、主演の南沙良が一年を通して感じ取った主演の彩花役の魅力、緒形直人が監督と共に考えた本作に描かれる若者たちへの思いなどを語り、限られた時間の中での充実した舞台挨拶となった。

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 待望の富山公開を待ちわびていた客席で満席となったTOHOシネマズファボーレ富山。登壇した南沙良、緒形直人、田中美里、坂本欣弘監督らは集まった客席に「このような状況の中、お越しいただきありがとうございました」と丁寧に一礼をしてからそれぞれの思いを語った。


 一年という長い時間をかけての撮影に南は「長期間の撮影は初めてのことでした。撮影から次の撮影の合間には、しばらく時間が空くこともあったので、彩花としての気持ちを忘れないよう、ノートにメモを取っていました」と話す。「撮影の間で感じ取ったことを、大切にしたいと思いました」と本作での撮影時の気持ちをいまも胸に留めていることを明かし、客席からは暖かな目線が送られた。


 タイトルにもなっている「もみの家」とは、彩花のように心に問題を抱えた人たちが散歩や農作業などを日課としながら、自分たちで育てた物を食べ、共同生活を送る場所。撮影に入る前、実際に富山県に実在する「Peaceful Houseはぐれ雲」という施設に取材協力を仰ぎ、坂本監督は何度も足を運びそこに暮らす環境や、人たちを参考にしたという。


 「もみの家」を主宰する佐藤泰利役で出演する緒形直人もまた、自身の子供たちに対しての気持ちと共に撮影に挑み、自分の子供ではない若者たちを預かる立場という難しい役に挑んだ。


 とても気さくに優しい表情で若者たちに言葉を向ける泰利だが、演じるに当たってはその一言一言を、監督と何度も話し合ったという。「心のバランスを保つのことが難しい時期の子供たちに対して、どういう言葉を投げかけるべきなのか、季節ごとの撮影で、その度に脚本を持って監督と話し合いました。彩花に対して泰利が語る長いセリフがあったんですけど、今の状態の彩花に取ってこの言葉全部を一度に聞かせて受け入れることが出来るだろうか?と監督と相談し、新たに別のシーンを設けてセリフを分けて撮るとうこともありました」と自立支援施設の長としての立場で、子供達との向き合い方を考えながら役作りしていたことを明かした。


 また、泰利の妻・恵を演じた田中美里も「自分の子供ではない子達とどう接してゆくか、彼らの全てを受け入れるというよりも一歩引いて、必要な時に手を差し伸べてあげることが良いのではないかと思いました」と自身の役について語った。


 そして一年を通しての撮影について「短い期間で撮影する現場が多い中で、久しぶりに一年を通しての撮影はゆっくりといい空気感の中でできました。子供だけじゃなく、大人もゆっくりと進むことのできない世の中だからこそ、この映画のコピーの【ゆっくりと進もう】という言葉がとても心に響くのではないか」と現場で感じ取った気持ちを語った。


 そして、現場でのエピソードを聞かれると南は「普段なかんか自然に触れることは少なくて、田植えも初めての経験でした。獅子舞の演者にも挑戦し、筋肉痛になりましたね」と実際に映画の中でも筋肉痛だと言うシーンは、本当に筋肉痛になっていたことを教えてくれた。緒形は「撮影の初日に、寮生と佐藤家だけで家に馴染むための時間があって、そこでみんなで人生ゲームをやったけれど、簡単には終わらなくて、2時間くらいやったよね?」と話し、田中もまた「そうそう、ようやく終わった瞬間に、私たちの息子を演じた子役の子が「もう一回!」と言ったので皆で全力で止めましたね」と微笑ましい現場の裏話で会場に笑いを誘った。


 舞台挨拶の最後には主演の南が「四季の美しさ眩しさだったり、人との繋がりが丁寧に描かれています」と締めくくり暖かな舞台挨拶となった。


映画「もみの家」

3月20日より、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

富山県で先行公開中!


【STORY】

大丈夫。ゆっくりと進もう。心に不安を抱えた若者を受け入れる〔もみの家〕に、16歳の彩花がやってきた。不登校になって半年、心配する母親に促され俯きながらやってきた彩花を、もみの家を主宰する泰利は笑顔で招き入れる。慣れない環境に戸惑いながらも、周囲に暮らす人々との出会いや豊かな自然、日々過ごす穏やかな時間が、彩花の心を少しずつ満してゆく ――。


主演:南沙良 出演:渡辺真起子 二階堂智 菅原大吉 佐々木すみ江 島丈明 上原一翔 二見悠 金澤美穂 中田青渚 / 中村蒼/田中美里 緒形直人


監督:坂本欣弘 脚本:北川亜矢子 音楽:未知瑠 製作:映画「もみの家」製作委員会 制作プロダクション:コトリ 配給:ビターズ・エンド (C)「もみの家」製作委員会

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