大阪府茨木市を舞台に、奇想天外な高校の同級生のお通夜を体験する人々を描く、映画『葬式の名人』が8月16日(金)より茨木市にて先行公開中、9月20日(金)より全国ロードショーとなる。
大阪府茨木市で生まれ育った川端康成の作品群をモチーフとした本作は、茨木市制施行70周年記念事業として制作され、舞台となった茨木市にて、2018年7月下旬から8月中旬にかけてオールロケを敢行しました。
女手一つで息子を育てる女性・渡辺雪子役には、『旅のおわり世界のはじまり』での好演が記憶に新しい前田敦子。本作では、女手一つで息子を育てる母親・渡辺雪子を逞しく、そして深遠に演じている。
雪子達同級生を不思議な一夜に巻き込む豊川大輔役を、『悼む人』、『きみはいい子』などで数々の映画賞に輝き、『多十郎殉愛記』『アンダー・ユア・ベッド』等主演作が相次ぐ高良健吾が演じます。
さらに、連続ドラマなどに引っ張りだこのブレイク俳優・白洲迅、日本映画界の至宝・有馬稲子、ほか尾上寛之、中西美帆、奥野瑛太、佐藤都輝子、樋井明日香など実力派の若手俳優達演じる同級生の登場により、笑いあり涙ありの同葬会が繰り広げられます。
この度、9月20日の全国公開を控え、新宿バルト9にて完成披露舞台挨拶を実施。主演の前田敦子をはじめ、共演の高良健吾、樋口尚文監督が登壇。関東初開催の舞台挨拶に、地方からも多くのお客様が来場いたしました。ここでしか聞けない、“オール関西弁”の撮影秘話をたっぷりとお届け。一層映画への期待が高まるイベントとなりました。
平日の夜にも関わらず、満席で埋まった観客席を前に登壇したのは、主演の前田敦子さん、続いて、高良健吾さん、最後に、樋口監督がステージに上がった。最初の挨拶として、前田は「本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。短い時間ですが宜しくお願い致します」満面の笑みで答えた。MCより初のお母さん役について聞かれると「自分もそういう(お母さんを演じる)年齢になったんだなって思いましたし、子供と接して子供っていいなぁ~って撮影中もすごく思いました」と初めてのお母さん役に満足げな前田。
高良は「こんばんは。ご来場ありがとうございます。この後もいろんなクロストークがありますので、楽しんで帰っていってください」と観客に語り掛けた。最後に挨拶した樋口監督は「関西では大ヒットしておりまして、『ライオンキング』や『天気の子』も抜いてしまっていると聞いて、えぇーって感じですが、本日もたくさんの人にお越しいただいて誠にありがとうございます」と挨拶。
関西では8月16日より1館で先行公開しているが、8月28日(水)時点で興行収入1千万円を超え、8千人以上が鑑賞している異例の大ヒットを記録中。東京のお客様に初めて見て頂く感想を聞かれると、樋口監督は「去年の夏、精魂込めて手作り感満載の本作はアート色も強いというのに、本当にうれしいです」と答えた。
前田は「撮影した場所の方々に受け入れてもらえたことが、とっても嬉しかったですね。それだけですべてが救われたって気分になっていますね」と心境を明かす。高良さん「嬉しいですよ。茨木で撮ったので住んでいる人達に観てもらえたのが嬉しいですし、何パーセントとか(茨木市にお金が)入ったらいいね(笑)」とジョークを交えながら答え、会場の笑いを誘う場面も。
オール関西弁について聞かれると「前田さんは上手!!」と最初に高良が話すと「えぇ~私は高良さんが上手だと思いましたよ」「いやいやいや(笑)」と謙遜しあう前田と高良。「でも、僕は上手じゃないといけないんですよ。前にも朝ドラで関西弁やっていましたから。でも、下手だったね(笑)」と撮影を振り返る高良と「現場で高良さんを見た時、もうすでに(関西弁が)できていて『やばい、どうしよう』って焦りましたよ」と撮影当初の気持ちを前田が吐露する場面も。関西弁をどうやって習得していったのか聞かれると、前田は「脚本・プロデューサーの大野さんが茨木市出身で、すごい教えてくれたんです。ずっと側にいてくれたのが、すごくありがたかった」と語る。
MCから「一番難しかった関西弁の言葉は?」と聞かれると、高良は「一言じゃなく、セリフでもなく…全部ムズイ!(笑)」とキッパリ。続けて「今回この作品でやりたかったことに関西弁は大きくて、自分の苦手意識を克服したかったんです。苦手意識はなくなったんですけどね・・・まぁ、観てみてください、勢いです!(笑)」と自虐も交えながら高良は語った。
そんな2人を樋口監督は「なかなか掴みにくい役柄で、いろいろ考えなくてはいけないのに、さらに関西弁も気をつけなくちゃいけない。大変だったと思いますよ。でも、お2人の関西弁は桂雀々師匠が『完璧だ』と言っていましたよ。お墨付き!(笑)」と2人の関西弁を褒めると会場から「おぉ~」と拍手が巻き起こった。
前田と高良は映画、ドラマ含め共演3回目。お互いの印象について質問が飛ぶと高良は「前田さんは、この間監督と3人での取材のときに監督が言っていた言葉が凄くしっくりきて、『前田さんはシャーマン。巫女さんのようだ』って。前田さん自体が巫女のイメージで…これって嬉しいのかな?(笑)」と前田に聞くと、「嬉しいのかな?(笑)…嬉しいです(笑)」と照れる前田。「努力で演技する人じゃなくて、直感で神が降ってきたような演技をするという最大限の褒め言葉ですよね」と樋口監督がフォローをいれた。
続いて、高良の印象を聞かれた前田は、「初めてご一緒したのは高良さんが22歳で 私が19歳とか…その当時は全然しゃべれなかったですけど、この世界に入って、ずっと憧れていた存在ですね」「嬉しいです。これはわかりやすくてね。(笑)」とわかりやすく照れる高良。本作のキャスティングについて聞かれた樋口監督は「主演は前田さんしかいないと決めていた」と続け「前田さんファンクラブの方から僕は“あつヲタ“と言われております。(笑)というのも、評論家でもありますから、以前から前田さんの演技を大肯定していて、いろんな賞に推薦したり、いろんな記事で対談したり、ずーっと前田さんの演技を見て応援していました。監督でもありますから、一度は前田さんの映画を撮りたいと思っていました」それに対して前田は「この作品に出させていただいて、とっても嬉しかったです。樋口監督は本当に普段から陰で応援してくれていたので、恩返しのような感じでしたね」と語ると「”あつヲタ“ですからね(笑)」と自虐的な樋口監督。
そして、タイトルに因んで、実は、この人は「~の名人」というトークテーマになると高良は「前田さんは“脱力の名人”ですね。前田さんは意識的にリラックス、脱力していてくれるから、いっしょにする演技もとてもやりやすいです。威圧感がなくって」と言う高良に「嬉しいです!意識しています。…嘘です(笑)」とジョーク交じりに返す前田。続いて、前田は「高良さんは“派手な服が似合う名人”です。(笑)この来ているスカーフをチョイスするところとか。(笑)」と言われると高良は「まさかの答えだった。(笑)」と驚いた様子。前田は「プライベートの時に派手なパンツを履いていて、それがすごくて…」と語ると高良は「あぁートラパンでしょ?言っていましたよね。(笑)」と続ける高良に前田は「すごい!よくそれ履けますねって言っちゃって。(笑)褒め言葉ですよ!」と語ると高良は「赤い帽子も被っていたからね、雷の人みたいな感じでしたよ。あれは俺の中でも確かに派手な方でしたね(笑)当時はあれがカッコいいと思っていたんです。(笑)」と当時を振り返る一幕も。「でも、そういうのを私服でも来ていてイメージが違う感じでしたよ。パンツは今も履いています?」「ちゃんと履いているよ!」と仲睦まじげな様子の前田と高良だった。
「それぞれ役を演じるにあたって大変だったこと」を聞かれた高良は「野球部も演じて、先生も演じたんで今回はMIXするような感じでしたけど、一番大変だったのは“関西弁”。なんといっても“関西弁“(笑)」と悪戦苦闘した様子。前田も同じように「関西弁ですね(笑)」と撮影現場を振り返る。そして、樋口監督が思う、「2人の演技で大変そうだったところ」を聞かれると、「関西弁ですね(笑)」まるでお決まりのセリフのように本作で大変だったことが、”関西弁“だった。 最後に樋口監督は「この映画は青春のファンタジーという器の中にさまざまな作品が詰まっていて、シニアっぽくもプログレッシブな映画になっています。たくさんの方に観てもらいたいです。よろしくお願い致します。」と挨拶。
高良は「今日はありがとうございました。本作を僕は2回観ているのですが、まだ感想がうまく言えないんです。新しいジャンルだと思うんですよ。『ジャンル葬式の名人』。少し変わった気持ちになれる作品です。楽しんで見ていってください」と語る。
前田は「今日はすっごく嬉しい。個人的にすごく好きな作品でもあるので、皆さんにもそう思っていただけたら嬉しいです。この作品でいろんな世界に行けると思います。皆さん楽しんでいってください。」と拍手で見送られる中、本イベントは幕を閉じた。
映画「葬式の名人」
8月16日(金)茨木市先行公開中
9月20日(金)全国ロードショー
茨木市制施行70周年記念事業
<出演>前田敦子 高良健吾 白洲迅 尾上寛之 中西美帆 奥野瑛太 佐藤都輝子 樋井明日香 / 有馬 稲子
<スタッフ>
監督:樋口尚文 原案:川端康成 脚本・プロデューサー:大野裕之 撮影:中堀正夫(JSC) 音楽:上野耕路 音楽プロデューサー:佐々木次彦 特別撮影協力:大阪府立茨木高等学校 全面協力:大阪府茨木市 茨木市制施行70周年記念事業
配給:ティ・ジョイ
【ストーリー】
大阪府茨木市にある簡素な木造アパートで、息子と二人で暮らしている28歳・雪子。ある日、彼女のもとに高校時代の同級生の訃報が届く。卒業から10年の時を経て、通夜に集まった同級生たちが体験したのは、これまでに見たことも聞いたこともない奇想天外なお通夜だった――。
http://soushikinomeijin.com/
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