大阪府茨木市を舞台に、奇想天外な高校の同級生のお通夜を体験する人々を描く、映画『葬式の名人』が、9月20日(金)より全国順次公開。
大阪府茨木市で生まれ育った川端康成の作品群をモチーフとした本作は、茨木市制施行70周年記念事業として制作され、舞台となった茨木市にて、2018年7月下旬から8月中旬にかけてオールロケを敢行しました。女手一つで息子を育てる女性・渡辺雪子役には、『旅のおわり世界のはじまり』での好演が記憶に新しい前田敦子。本作では、女手一つで息子を育てる母親・渡辺雪子を逞しく、そして深遠に演じている。
雪子達同級生を不思議な一夜に巻き込む豊川大輔役を、『悼む人』、『きみはいい子』などで数々の映画賞に輝き、『多十郎殉愛記』『アンダー・ユア・ベッド』等主演作が相次ぐ高良健吾が演じます。
さらに、連続ドラマなどに引っ張りだこのブレイク俳優・白洲迅、日本映画界の至宝・有馬稲子、ほか尾上寛之、中西美帆、奥野瑛太、佐藤都輝子、樋井明日香など実力派の若手俳優達演じる同級生の登場により、笑いあり涙ありの同葬会が繰り広げられます。
この度、公開初日を迎え、新宿バルト9にて初日舞台挨拶を行いました。主演の前田敦子をはじめ、共演の高良健吾、白洲迅、尾上寛之、中西美帆、奥野瑛太、樋井明日香、佐藤都貴子、樋口尚文監督が登壇。ここでしか聞けない撮影現場エピソード、本作に因んだ、10年前の自分に伝えたいことなどキャスト・監督に語ってもらいました。
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前田 「こんばんは。やっと本日公開になってみんなと初日を迎えることができて、大変うれしく思います。こんなにキャストが揃っているので今日は手短にいきたいと思います。本日は宜しくお願い致します。」
高良 「前回の完成披露舞台挨拶で前田さんに『派手な服が似合う名人』と言われたので、今日はこんな感じです。本日はよろしくお願い致します。」と爽やかな薄いグリーンのジャケットを見せて笑いを誘った。
白洲 「個人的にいい経験になった作品が公開になるのを、大変うれしく思います。本日はよろしくお願い致します。」
尾上 「茨木市出身で生まれ育ったところを皆さんに観て頂けると思うと嬉しい気持ちでいっぱいです。本日はよろしくお願い致します。」
中西 「こんばんは、今日はご来場いただきありがとうございます。短い間ですが宜しくお願い致します。」
奥野 「今日、葬式っていうから喪服で来たんですけど、みんなドレスとか着ているからビックリしたよ。数珠まで持ってきたのに。(笑)本日は宜しくお願いします!」と一人真っ黒な喪服で登壇した奥野に会場からは笑いが。
樋井 「本日はご来場いただきありがとうございます。短い間ですがよろしくお願い致します。」
佐藤 「楽しい時間を過ごせたらと思います。本日は宜しくお願い致します。」と笑顔で挨拶。
樋口監督 「ここにずらっと並んでいただいたキャストは私の第1希望でオファーした方々で、またここに揃うことができて非常にうれしく思います。」と挨拶。
本作は大阪府茨木市にて先行公開しているが、公開数1館(イオンシネマ茨木)のみで興行収入1500万円。動員数、約1万2千人が本作を鑑賞しているそうだ。そんなスマッシュヒットをうけて全国公開を迎えた気持ちを問われた登壇者。
前田「やったね!尾上さん」 尾上「やったね!やったよ!今急に振るからオドオドしたよ。(笑)」 前田「尾上さんの出身でもあるし、撮影した場所で受け入れてもらえたことが本当にうれしいですし、今日こうして見に来ていただいたことがホントにうれしいです。ありがとうございます」
続いて、世代の近い方たちが共演されて、現場で特に印象に残っている出来事など現場ならではのエピソードを聞かれた。
白洲「僕は基本的に(役で)お亡くなりになっているので、お芝居的には皆さんと…絡んではいるんですけど…(笑)」 尾上:「結構絡んでいたよ!ずっと絡んでたじゃない」 前田:「絡んでた!」 白洲:「絡んでました!(笑)でも、僕の周りで楽しそうにワチャワチャしていて羨ましかったです。役としても本当にこういう風に感じるのかなって思いました。棺桶の中は暑かったので、でっかい氷を抱いていましたよ。」 高良:「映んないところでも頑張ってくれたよね」と白洲の見えないところでの頑張りが語られた。
次に現場エピソードについて問われた前田だったが、前田「あの~質問はなんでしたっけ?(笑)」MCの質問を忘れてしまった前田に会場は笑いがこぼれた。「そうですね~あきおを演じる阿比留照太くんと高良さんとの時間がいっぱいあって、2人がずっと車の本格的な話をしているのですごいなぁっと思って見ていました。」 高良「そうですね。あきおは釣りと車が大好きな典型的な男の子で可愛かったですね。」と現場の様子を語った前田と高良だった。
次に話を振られた尾上は先ほどの前田を真似るかのように答えた。尾上「質問なんでしたっけ(笑)」一同笑いが起こる。「僕は10年ぶりに健吾と共演できましたね。その当時も同級生の役でしたから懐かしかったです。本作ではまさか自分の地元が映されて、地元の人に会ったら恥ずかしいなぁと思うのと、嬉しい、誇らしいって気持ちが湧いていましたね。」 奥野「僕はみんなであるシーンであるものを担いで商店街を歩くんですけど、神輿を担いでいるようでして、夏の風物詩をやった気分になりました。」と本作のとあるシーンが印象的だったと語った。 樋井:「学校が舞台で夜の学校を体験できたのが楽しかったです。いけないことをしているみたいで何故かテンションが上がりました。トキの剥製があって、美術館みたいと思いましたね。」
次の質問に、今回10年ぶりに同級生と再会した本作に因んで、10年前に自分はどうだったのか、10年前の自分に伝えたいことを聞かれた。中西「当時はまだまだ人間の手前みたいだったので…」 奥野「え?原人ってこと?」(笑) 中西は笑いながら、「『ペン習字習っときなさいよ。』って言いたいです。」 尾上「なんかあったの?」 中西「いえいえ、字が得意じゃないんです。」と少々悔しそうに語った。 白洲「当時16歳は高校生で中学は野球をやっていたんです。丸坊主で。でも、モテたくてモテたくて高校ではダンス部に入ったんでヘアワックス使ってカッコつけて」と語ると「え~」一同が驚く中、 前田「坊主にワックスつけてたの?」 白洲「そんなことない、ちゃんと伸ばしてからね。(笑)」と前田のボケが会場を笑いで包んだ。「でも、結果全然モテなくて、野球やっていた時のほうがモテていたんじゃない?って言われていましたね。(笑)」と当時の思い出を語った。 高良「10年前は尾上くんと合宿していて、当時一緒に演技していた人たちは辞めていった人もいて、その時もみんなで同級生を演じて、みんなそれぞれ悩んでいたけど、今こうして舞台に立ってるぞ!って伝えたいですね。あとは、その合宿で人狼ばっかりやっていたんです。先に流行りものやったぞ!人狼流行ったぞ!って、当時の自分に言いたいですね(笑)」と満足そうに語った。 前田「今日のためにマネージャーさんが10年前の今日のスケジュールを出してくれたんです。その日はレコーディングして、(東京)ビッグサイトで握手会して、ソロのグラビア撮影があって、その後地方を周ったあと、4日後にニューヨークに行ってました」と当時の多忙っぷりを語った。 前田「このスケジュールうらやましいって思いました(笑)。凄い頑張っていたんだと思うし、このとき頑張りのおかげで今がすごい元気だよって、10年前の自分に伝えたいです。」
次の質問に、自分が体験したファンタジックなお話を聞かれた。 樋井「小学4年生のときダンス教室の棚に、顔の大きさくらいのお爺さんがいて、喋っていたんですよ。」 尾上「それって小人?大御所のダンサーさんなんじゃない?(笑)」 奥野「白洲さんがダンスやっていたので、会っていたのかもしれない。(笑)」とダンス部ネタをツッコまれた。 高良「おれもファンタジックなことあったわ。」 前田「え、さっきは舞台袖で無いってあれほど言ってたじゃない。(笑)」 高良「この撮影中にあったよね。」 奥野「あぁ~あったね(笑)」 高良「尾上くんの元カノにたまたま会えたんですよ」。恥ずかしそうに上を見上げる尾上。 高良「これ言っちゃだめだった?」 奥野「いいよ、会えてちょっと嬉しかったもん。(笑)」 奥野「そうだよね、翌日の撮影のテンション違ってたもんね。」 尾上「そんなことはないわ~(笑)」と思い出の人との再会エピソードで会場は笑いに包まれた。
最後の挨拶に、樋口監督・高良・前田が挨拶した。
樋口監督 「この青春ファンタジーなんですけど、高良さんと白洲さんのBL要素があったり、前田さんと阿比留照太くんの親子模様描かれていたり、高良さんが前回の舞台挨拶で言った「ジャンル葬式の名人」というジャンルがしっくりくる作品です。頭を柔らかく
して観てください。」
高良「今日しゃべったみたいに現場でも独特な空気になっちゃうんです。でもそれが楽しいんです。そういう空気が映画からも伝わる作品だと思います。最初ビックリするかもしれませんが、『あ、ジャンル葬式の名人なんだ』って思って観ていただけたらと思います。本日はありがとうございました。」
前田「お2人の言うようにジャンルに問われない不思議な作品になっています。前向きで明るいすがすがしい映画だなって思える作品です。本日はありがとうございました。」と満席の会場の拍手喝采の中、本イベントは幕を閉じた。
映画『葬式の名人』
出演:前田敦子 高良健吾 白洲迅 尾上寛之 中西美帆 奥野瑛太 佐藤都輝子 樋井明日香 / 有馬 稲子
監督:樋口尚文 原案:川端康成 脚本・プロデューサー:大野裕之 撮影:中堀正夫(JSC) 音楽:上野耕路 音楽プロデューサー:佐々木次彦 特別撮影協力:大阪府立茨木高等学校 全面協力:大阪府茨木市 茨木市制施行70周年記念事業
配給:ティ・ジョイ
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