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  • 執筆者の写真yasu

アリスインプロジェクト最新舞台「アリスインデッドリースクール コネクト」、さらに芝居を深化させ、リアルな群像劇を描く。11月7日より新宿村LIVEにて上演

 演劇カンパニーアリスインプロジェクトの最新舞台「アリスインデッドリースクール コネクト」の製作発表会見が都内で行われた。



 これは、同カンパニーの旗揚げ作であると同時に再演希望ナンバーワンの作品でもある「アリスインデッドリースクール」の最新作。そして、今年は、作品&カンパニー誕生10周年を迎える記念すべき年であり、年初から同作に関連したさまざまなイベント、公演を行ってきたが、正統後継となる本作の上演を以て、周年記念の締めくくりとなる。


 今回は、ミュージカルカンパニー「三ツ星キッチン」の上條恒を演出に迎え、新たな群像劇を創出していくという。同カンパニーのwebサイトを見ると、日本人のためのJ・ミュージカルというスタイルを以て、日常の出来事を精緻に描く「人生劇場」を標榜した作風が特徴と記してあるが、会見での上條の言葉を借りれば今回の新デッドリーは、「物語の中に生きる彼女たちが、どれだけ一所懸命に生きて、そこで輝くかをテーマに演出すること」を目指しているそうで、「どれだけリアルに生きられるかをみんなで体験しながら」稽古を進めているという。


 一方、脚本を担当するのは、アリスインプロジェクトではお馴染みの麻草郁であり、新たに付けられた“コネクト”に込めた思いのたけを存分に語ってくれた。少し長くなるが引用すると、「この10年を総括し、次の10年につながることを考えた内容になっています。初見の人だけでなく、ファンも含めて、すべての人に新しさを感じてもらえるように作りました。セリフについては大幅な改定はありませんが、言葉や行動を精査して、たとえば、こことここのセリフや流れがつながっているということ、言い換えれば僕の脚本の分かりづらさの原因をこの10年でだいぶ学べたので、そこを書き直しました。


 人間って、話している時や話を聞いている時にふと、別のことを思い浮かべて、新しい考えがわいてくる(=コネクト)ことがあると思うんです。そういうことが物語の中ですごく大きな役割を持っていて、中でも氷鏡が目立ちますけど、登場キャラ全員にそういう場面があるはずなんです。特にト書きには書いていませんけど、人間の思考って自然に広がっていくし、この物語自体もあらゆる可能性がありうるというところに立脚しているので、それを今回はセリフ単位でお見せできるんじゃないかと思います」。


 以下、メインキャストのコメントを抄録したい。


堀越せな(墨尾優 役)

稽古場ではとにかく、キャストみんなの圧がものすごいんです。この座組は本当に素晴らしいなって思います。自身の役では漫才のシーンに苦戦しています。頑張ります。



白石まゆみ(百村信子 役)

信子としてどこまでテンションを上げられるかが課題なんです。もともとそういう人間じゃないので……不安しかなくて。でも、みなさんがやりやすくしてくださるので、最近は楽しくできるようになりました。



八坂沙織(氷鏡庵 役)

今回の特徴は、自分の役を含めてリアルなお芝居になっているところです。たとえば、怒る芝居って、いかにも怒ってますという行動をとれば分かりやすいんですけど、今回目指しているのは、人間が本当に怒っている時って、どういう風に他人に接するんだろうというところまで掘り下げて役を作っているので、本当に一人一人のキャラがリアルに生きているということにつながっていると思います。すっごく細かいです。2年前にも同じ役を演じていますが、今回の作品ではまったく違った役づくりになっているます。上條さんが仰ったように、リアルを追求している舞台なので、一人ひとりが屋上で一所懸命に生きている姿を見てほしいです。



栗生みな(紅島弓矢 役)

1年ぶりに紅島を演じます。これまでの紅島は、(その時の)空気を変えるというところに重きがありましたが、今回は空気感をつなげるという役回りになるのが、重要な点かなと思っています。稽古も、一人一人が頑張るのではなく、全員でシーンを作り上げるという雰囲気になっていて、いままで一番納得できる舞台になるんじゃないかなって感じています。


 今回の紅島においてリアルな感じを出すためには、感情を出さない、完全にほぼほぼフラットな状態にして“怖さ”を表現しようと思っています。キャストのみんながそれを引き出してくれるので、すごく助かっています。



石川凜果(竹内珠子 役)

今回の座組はとても熱量が高くて、本当に楽しみながら稽古を続けています。そんなみんなのことが大好きなので、珠子の役づくりの面でも、(屋上に集う)後輩たちを愛おしく思う気持ちが自然とわいてきて、リアルなお芝居につなげられていると思います。前回は、信子を演じたのでノビューンの二人が懐かしいです。



天音(村崎静香 役)

2年ぶりにデッドリーに出演させていただきますが、役が違うと見える風景も違うんだっていうことを実感しています。そういう話をよく、共演者の方から聞いていたんですけど、本当にそうなんだって思いました。自分なりの静香を演じられるよう頑張ります。


永瀬がーな(旧がーな 橙沼霧子 役)

前回と同じ役を演じさせていただきますが、メンバーや演出家さんが違うこともあって、だいぶ生き方が違うなって感じています。同じセリフをしゃべってはいますけど、同じ感情になれないので、なんか違和感が大きいですね。あと、少し前に氷鏡を演じているので、同じ屋上にいても、見えてくるものも、聞こえてくるセリフのニュアンスも(役によって)だいぶ違うんだなって感じて、楽しいです。


 演出家・脚本家の発言を受けてのメインキャストのコメントは、稽古ではかなり苦労している雰囲気も感じられたが、一方で、キャスト一同が自身の役に全力で挑んでいる様子も受け取れたので、10周年を締めくくる本作の上演を楽しみに待ちたい。


舞台「アリスインデッドリースクール コネクト」

11月7日(木)から10日(日)まで、新宿村LIVEで上演


<キャスト>

堀越せな 白石まゆみ 栗生みな 八坂沙織 三浜ありさ 佐伯香織 永瀬がーな 草場愛 若松愛里 國井紫苑 天音 長谷川麻由 結城美優 東城希亜 太神陽 中島明子 宮ノ尾友美 山本太陽 真島なおみ 錦織めぐみ 石川凜果




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