劇団ACTOR’S TRASH ASSHの第23回本公演となる舞台『「帝都探偵奇譚ジゴマ2」上海租界編』が、12月11日より上演にされるのに先駆け、最終試演(ゲネ)の模様が関係者に公開された(ゲネの演目は怪盗サイド)。
本舞台は、昨年10月に上演された「帝都探偵奇譚ジゴマ」の続編であり、大正時代の風俗も満載の浪漫溢れる時代活劇。前作のラストで探偵三笠夢之介(服部)によって追い詰められた怪盗ジゴマ(小栗諒)であったが、いよいよ観念か……の瞬間、のちに関東大震災と称される大地震の発生によって、生死も含めて消息は不明となってしまった。
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それから3年後が本作の時間軸となる。時代は大正から昭和へと移り、震災に焼けた街はなんとか復興し、新たな繁栄を築いていた。名探偵の称号によって仕事も順調な三笠は、助手の花崎繭子(花岡芽佳)に加え、新たな助手・野呂ハジメ(小田峻平)を迎え、ジゴマの消息を思いながら日々賑やかに過ごしていた。
そんな時に、かつて情報屋として使っていた平ヰ太朗(織田俊輝)が持ってきた情報によって物語が大きく動きことになる。「上海の租界で、現地のマフィアにも恐れられている怪盗が現れた……」。その報を受けた三笠は、助手たちとともに上海に向かうのだった。
というのがイントロとなる。上海に渡った一行は、現地の勢力と、ある時は敵対し、あるときは手を組み、ジゴマを追い詰めていく。新キャラも多彩に登場するが、それぞれに繊細な心理描写が盛り込まれるなど(腹の中にはイチモツもあったりする)、松多壱岱の脚本は前作よりも研ぎ澄まされた印象だ。
もちろん、松多アクションも全開であり、前作をさらに上回る熱量で、スピーディさと激しさを融合させた大活劇(アクション)が堪能できるようになっている。ジゴマの部下・梅谷サトシ(是澤洋文)、須永時子(小倉江梨花・収監されていたがジゴマのメッセージを受け取りたやすく脱獄し合流)、中国人マフィア・青幇(ちんぱん)、租界で幅を利かせているヤクザたちが大乱戦し、見事な殺陣を構築してくれる。
さらに、三笠、ジゴマについても、前作以上の肉弾戦、殺陣を披露してくれるのだが、今回殺陣振付を担当するのは、ジゴマを演じる小栗その人であり、気合も臨界点に達しているのだろう、圧倒的な仕上がりとなっている。
また、前作に引き続き同じ役を演じる澤田真里愛(安藤絢子 役)、安達優菜(蜥蜴 役)の両名の存在感も素晴らしく、澤田については前回同様に劇中歌唱を担当しており、圧巻な歌声が堪能できた。安達は今回、どちらかと言えば“姉”という心情が勝っており(という設定だと思う)、前作で見せた威厳よりは、肉親を思うか弱き(弱くないが)乙女という雰囲気を放っており、そのギャップにやられてしまう観客も多いことだろう。
今回、青幇の一員・岑夜来を演じた水城夢子は、直前の舞台で見せたゲーマー女子のイメージからは一転、内面に闇を抱える女殺し屋(?)を熱演してくれた。パンフレットにある本人コメントの通り、ジョン・ウー張りの二丁拳銃を存分に披露してくれた。
舞台『ACTOR’S TRASH ASSH 第23回本公演「帝都探偵奇譚ジゴマ2」上海租界編』
~原作・フランス怪盗小説・レオン・サジイ『ジゴマ』より~
12月15日まで、シアターグリーンBIG TREE THEATERにて上演中
【公演日程】
12月11日(水)~15日(日) 全9公演
11(水) 19時~☆
12(木) 14時~★ 19時~☆
13(金) 14時~☆ 19時~★
14(土) 13時~★ 18時~☆
15(日) 12時30分~☆ 16時30分~★
☆怪盗サイド
★探偵サイド
※怪盗、探偵サイドでは一部ストーリーに変化があります
<劇場>
シアターグリーンBIG TREE THEATER
171-0022 豊島区南池袋2-20-4
<出演>
小栗諒、服部武雄
レノ聡、水城夢子、木村優良、山本真夢、花岡芽佳
紅葉美緒、織田俊輝、安達優菜、澤田真里愛、三浜ありさ、高田舟、是澤洋文、工藤美輝
小倉江梨花、梅田祥平、小田峻平、飯原優、宮ノ尾美友
武田知大、丸山正吾、石部雄一
<チケット>
カンフェティ&こりっち
・チケット代金
【特典付S席】8,000円 ※前方より5列
【S席】6,500円 ※前方より5列
【特典付A席】7,000円
【A席】5,500円
【平日昼割・12日(木)14時回/12日(木)14時回】5,000円
※特典:非売品オリジナルフォトブック
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