アクトレスユニット「アリスインアリス」と、舞台「アリスインデッドリースクール」が初コラボした「アリスインアリスinデッドリースクール」が、いよいよ12月12日より上演

　演劇カンパニーアリスインプロジェクトの最新舞台「アリスインアリスinデッドリースクール」の製作発表会見が都内で行われ、出演キャストが新作への意気込みを語った。

　これは、同カンパニーの旗揚げ10周年を記念したセレモニーの締めとなる作品で、旗揚げ作でもある「アリスインデッドリースクール」にオマージュを捧げたスピンオフ舞台となる。タイトルを見て分かる通り、同カンパニーがかつて展開していたアクトレスユニット・アリスインアリスの世界観を作中に取り込んだもので（アリアリが、デッドリーと連携するのは初）、そのアリアリからは、アリスイン作品ではおなじみの高橋明日香（久しぶり）、鶴田葵、そして花梨が参加している。そして、本作の演出を担当するのは、こちらもアリスインではお馴染みのバンタムクラスステージの細川博司だ（脚本もお馴染み麻草郁）。

※ネタバレ的な要素を含みますので、気になる方は以下、読み飛ばしてください。

　さて、今回の物語はすでにあらすじがweb公開されているので、ある程度の想像はつくと思われるが、脚本を担当した麻草節が炸裂した設定・展開となっており、演出担当の細川も「容赦がない。どう演出すればいいのか」と、頭を抱える場面もあったそう。

　大まかに紹介すれば、アリスインアリスの世界に、デッドリースクールが入り込んでくるそうで、時空（時間や空間）を超越できるアリスインアリスメンバーが、デッドリースクールの世界と交わることで、物語が動き出すのだという。

　思いっきりのネタバレを書くと、「アリスインデッドリースクール」は、再演ごとにパラレルワールドが創造されていくという設定であり、そのいずれかのワールドを生き抜いたイオリ・ヒカミ（八坂沙織）が、あれから11年後にアリスインアリスと出会い、あの出来事を防ぐため、当時の仲間を助けるために、行動を起こす（らしい）。

　ちなみに、アリスインアリスが時空を超えるために使う道具は、TIF2015でも披露した懐かしの名曲「ユピテルライダー」にも出てきた、左手に装着するアレ。当時の記事には「～今度は宇宙空間を舞台にしたSFチックな作品『ユピテルライダー』を披露。ガン（銃）、刀、そしてプロテクター（きっとすごい機能が隠されているに違いない）～」という記述があるが、それから4年、ようやくその全貌が明らかになるようだ。本作のために、“造形する脚本家”の麻草氏が、3人分のプロテクターを鋭意製作中だそうで（会見時には、本番に間に合うのか、という心配の声しか聞こえなかった）、

　用語とグループを整理しておくと、アリスインアリスは光の存在で（正義の味方？）、その対極となるのが黒のアリアリ＝ヴァリアブルアリス（敵？）になるそうだ。また、トレイサーという組織？もあるのだが、正直これがなんのかなは不明（光のアリアリの別名か？）。12日の本番で明らかになるだろう。

　なお、（光の）アリスインアリスのメンバーは、夏目が演じるアトラス、梅原のカレン、真崎のミア・キサラ。オリジナルアリスインアリスの高橋、鶴田、花梨はヴァリアブルアリス（高橋：パンドラ、鶴田：ベルセ、花梨：オルフェ）になるそうだ。

　最後に演出の細川の言葉を紹介しておこう。「アリスインアリスは、時間と空間を飛びまわりますが、その一つひとつのシーンを短編の芝居のようなつもりで密度を濃く作っているので、見ごたえがあると思います。キャストもそれに応えて、稽古序盤から完成度を上げてくれています。周年記念の締めくくりとして、自信をもってお届けできる作品になりました」と胸を張ってコメントしてくれた。

　以下、会見でのメインキャストのコメントを紹介したい。

＜夏目綾＞

アリスインアリスの一員・アドラスを演じさせていただきます。結構ドンと構えた役なので、そういう雰囲気を出せるように頑張ります。時空を移動するところが見どころです。

＜葉月智子＞

墨尾優を演じさせていただきます。いろいろな勢力に巻き込まれて、さまざまな時空を移動しますが、最終的にどういう運命を選ぶのか、というところに注目してほしいです。もちろん、信との関係も見てください。

＜高橋明日香＞

ヴァリアブルアリスのパンドラを演じます。かつてアリスインアリスのライブで披露していた世界観を、作中で体現する役回りなので、グループを知っている人たちには“おおおお”って思ってもらえると思います。懐かしい曲も披露しますので、アリアリのファンも、デッドリーのファンもエモくなれるシーンがいっぱいあります。

＜鶴田葵＞

ピーちゃん（高橋）が言った通りで、今回は「ユピテルライダー」で使った道具（左手のアレ）が劇中で活躍しますので、実際に使うとこうなるんだっていう世界観をお楽しみに。装具は現在、麻草さんが製作中なので、完成が楽しみです。

＜花梨＞

「ユピテルライダー」のPVは、特殊効果を使ってカッコいい映像になっていますが、その世界観が舞台上に再現されます（光線とかは再現されないけど）。戦いや時空移動の様子が面白いので、注目してほしいです。

＜幸野ゆりあ＞

デッドリーはいままでたくさん再演されてきましたけど、今回の作品では新規シーンが大幅に追加されているし、いろいろな時空を移動するのも見どころだし、その表現も面白いし、初めて描かれる（明かされる）シーンもありますので、デッドリー初見の人にも、もちろんファンの人にも楽しんでもらえると思います。ダンスもカッコよく仕上がっています。私の演じる氷鏡と、八坂さんの演じるヒカミの差（違い）も見てほしいです。

＜白石まゆみ＞

今回は竹内珠子を演じさせていただきます。前回は信を演じたので、信をメインに見ようと思いましたけど、配役（キャスト）が違うと、（役の）個性もこんなに違うものか、そういうやり方もあるのか、という発見がたくさんあって、日々勉強になっています。ダンスシーンもエモいですし、一つ一つのシーンに感動できるはずです。よろしくお願いします。

＜渡邉結衣＞

今回、黄市恵美を演じさせていただきます。休憩時間は皆さんとても賑やかですけど、いざ稽古が始まるとガラッと変わって真剣に役になり切っていて、すごく勉強になっています。（会見であてられて）緊張してうまく言葉が出て来ないんですけど、本番までにもっとレベルアップして、いいものを作りたいし、私自身も成長していきたいです。頑張ります。

＜池澤汐音＞

今回、高森朝代を演じます。アリスインさんの舞台に出るようになって、だいぶ年を取って（会場　爆笑）……、いや、そういう意味ではなくて、はじめは年下組だったのが、今では中堅組になって、年下の子に教える立場になったのが、不思議だなって感じています。後輩を教えつつ、自分も学んで、ともに成長していけるようになりたいです。

＜宮村蒼＞

本格的な舞台に立つのは初めてで、稽古場の雰囲気も、桁違いの熱量が溢れているのに気おされそうですが、皆さんのいいところを吸収して、学んでいきたいです。

「アリスインアリスinデッドリースクール」

12月12日（木）～23日（月）まで、池袋シアターKASSAIにて上演

＜出演・シングル＞

夏目綾　葉月智子　高橋明日香　八坂沙織　幸野ゆりあ　鶴田葵　花梨　梅原サエリ　長谷川麻由　羽柴なつみ　天音　夢月　池澤汐音　真崎千波　音羽奈々　渡邉結衣

＜出演・ダブル月組＞

宮村蒼　佐々木円　椎名愛　日暮レイコ　櫻井由佳