CRAYONSのキャプテンとして活動したのち、現在はソロの舞台女優として、そしてCRAYONSや、そのファミリーでもあるレプスルプスの振付師として活躍している駒形梨乃(通称こまり)。昨年来そのCRAYONSは、毎月の定期公演で新曲を披露してきており、毎回新たな振りを考案するのも“たいへん”だが、同時に“楽しんでいる”そう。そんな彼女にインタビューを行い、この世界に入ったきっかけから、振付師として、女優としての今後の目標について、話を聞いた。
――まずは、ダンスを始めたきっかけを教えて下さい。 小学2年生の時に、友達の友達がダンスをしていて、一緒にやろうよって誘われたのがきっかけです。お互い近所に住んでいたので、一緒に通って楽しくやっていましたね。 その後、大学生になった時にアイドルグループの活動を始めて、その活動を通して今の事務所のスタッフと出会って、「CRAYONS」というアイドルグループの立ち上げメンバーとして参加したんです。当時は6人編成で、私のほかは、恵比原愛莉、有夢りあ、中村千紗、小林千耶美、奥野杏莉というメンバーでした。 ――その時の立ち位置は? キャプテンでした。あと、ダンスをやっていたということで、運営さんから、デビュー曲「We are CRAYONS」の振り付けをしてみない? と言われたのが、ダンスの振付師としての第一歩になりました。 ――すぐにできたのですか? そうでうね。それほど苦労することなく、すんなりできました。
――具体的に、振り付けはどのように行うのですか? 時と場合によりますが、基本は、曲(メロディ)を聞いて、歌詞を見て、そこから浮かんでくるイメージを形にする、という感じです。もちろん、歌詞に特徴的な言葉があれば、それを活かす――リンクさせた動き――ようにもします。曲が最終ではない場合は、なるべくカウント(リズム)を当てはめたベースを作って、完パケ後に調整することもあります。 ――今月の新曲「Shiny dream !」では? 今までよりももう少し大人っぽくというオファーをもらったので、よりダンスっぽい振りにしています。 ――ダンスのレッスンは続けているのでしょうか? 個人練習はしていますけど、どこかに通ってレッスンを受けるということはしていません。というのも、昔、有名な振付師の方が、「ほかの振りを見てしまうと、染まってしまうから見ないほうがいい」と言われていたのが強く記憶に残っていて、そういう考え方もあるのかと思って、なるべく見ないようにしているんです。ただ、自分の幅を広めるという意味では、新たにクラシックバレエのレッスンを始めました。めちゃくちゃスパルタな方で(笑)、ダンスとは動きが違うので、たいへんと言えばたいへんです。 ――メンバーも行かしたらどうでしょう。 いやぁ、泣いて帰ってくると思いますよ(笑)。
――バレエって、すぐに踊れるのですか? できませんよ。ダンスとは全然違います。軸を取るとか、回転するときの感覚には近いものはありますけど、そもそも使う筋肉が違いますから、まったくの別物です。先生は肉を揺らさずに踊れって言うんですけど、揺れるものは揺れますよ(笑)。 ――では、振り付けにはバレエの要素も活かして。 そうですね。柔らかい感じや、女性らしい感じを表現したい時は、バレエの動きを取り入れるようにしています。 ――ちょっと話を戻しますが、当初はキャプテン&メンバー&振付師という役割を担っていたのですね。グループ卒業のきっかけは? 私が体調を崩してしまったことと、あとCRAYONSの活動と並行して舞台へ出演するようにもなっていて、ライブへ出られないことが多くなっていたというのもあります。その時は、舞台への意識も強かったので、ソロとしての活動と、舞台女優としての活動にシフトしようということで、(卒業の)決断は割と早かったです。 ――卒業した(ソロになった)ときは、振付師になるという意識はあったのですか? 在籍中もいくつかの曲で振り付けは行っていて、楽しいっていう思いも芽生えていたので、オファーがあればやりたいなっていうぐらいの感覚でした。まさか、毎月定期を開いて、毎月新曲を発表するなんて、当時は思いもしませんでしたよ(笑)。 ――今日(3月20日)で、月一の定期も1周年を迎えました。 ねっ、急に月一開催になって! 当初はまあ、お仕事がもらえるならやってみようっていう軽い気持ちでしたけど、この一年はすっごくたいへんでした。本当にたいへんでした。
――ちなみに、1曲の振り付けにかかる時間は? 曲ができるタイミングにもよりますけど、最短は一日というのもありました。まあ、時間のないほうが、火事場の馬鹿力じゃないですけど、いいものができることも多いです。でも、やはり時間や心に余裕のあるほうが、いろいろな動きを練る時間が取れて、凝ったものができますね。 ――練るというのは? 踊りや振りの難度を変えて、「普通」「少し難しい」「難しい」というように、3パターンぐらいを考えるんです。そして実際にメンバーに踊らせてみて、踊れるかどうかもチェックして、決めていきます。余裕があるときは、このパターンをいろいろと考えられます。 ――実際、振付師として一年ほどやってきての感想は? かつては、振り付けの先生がいて、レッスンで(振りを)教わっているだけでしたけど、振り付けをするようになって、この動きは踊りにくいんじゃないか、こうしたら踊りやすいんじゃないかっていう、踊り手と作り手、両方の視点で考えられるようになったのは、大きいですね。 CRAYONSで言えば、(メンバーの)踊りのレベルが上がってきているのを間近で感じられるのは嬉しいですし、どんどんレベルアップした振りをつけていけるのも、楽しいです。
――振付師としての目標は? 活動を広めていきたいですね。この一年、CRAYONSの成長を見てきましたけど、グループによってダンスの色って違うと思うんです。だから、今度は他のグループ・ユニットにも挑戦して、CRAYONSとはまた違う、そのグループの特色を活かした振りをつけて(考えて)みたいです。 ――気になっているグループは? 実は目の前にいて(笑)。百鬼乙女は、天性の身体能力の高さを感じるので、あのパワフルさを活かした振りをつけてみたいです。 ――CRAYONSで、記憶に残っている曲(振り)は? 愛踊祭2018の課題曲だった「ムーンライト伝説」は、自分の中でも過去一の仕上がりになったなって思いますね。オリジナル曲で言えば、1月の新曲「SCAN ME!」です。振り付けが(天から)降ってきました(笑)。ただ、メンバーからは回転するところは不評でしたけど。あとは、「びょんびょんBEYOND!」も結構すぐにできましたね。お客さんも一緒に踊ってほしいと思って考えたものなので、ステージを後ろから見て、お客さんが一緒に踊ってくれていると嬉しくなります。 ――一方で、女優としては? 年に2本ほど、舞台に立たせてもらっていて、近いところでは、5月に流星揚羽さんの『星月夜~綺羅星と箒星~』(5月27日~ @ザムザ阿佐ヶ谷)という作品に出演させていただきます。まだ稽古は始まっていませんが、私は白猫の鈴を演じる予定です。前回はちょっと無茶ぶりな感じで、単独のオープニングダンスを任せてもらったりしました(今回はあるかどうか分かりません・笑)。いかに人に見せないか、というところが勝負ポイントです。 ――将来の目標は? もともと、表に出る側としてこの世界に入ったので、振付師と女優の活動を、3対7ぐらいの割合で、両方頑張っていきたいです。いろいろなことを試していきたいですし、女優としても、舞台だけでなく映像(ドラマ、映画など)にもチャレンジしたいです。
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