演劇カンパニーアリスインプロジェクトの最新舞台「真約 魔銃ドナー」が現在、池袋のシアターKASSAIにて上演中だ。公演二日目となる8月8日の昼に行われたゲネでは、Wキャスト星組&変則キャスト吾妻レイカ役の結城美優が試技に臨んだ。
物語については昨日のゲネレポートに譲るとして、ここでは気になったキャストについて紹介していきたい。
初日ゲネレポートはコチラ
まず驚いたのが、各キャストから発せられる熱量の高さ。昨日のゲネが遠い過去に感じてしまうほどパフォーマンスが向上しており、九州女子翼的に言えば、わずか一日でギアを2段アップした印象だ。
白石演じる彼岸子は優雅さと無邪気さに磨きがかかり、里於奈演じる神酒は、妹に対する愛情と懺悔の気持ちは100倍増し。なぜ、そこまでして戦うのかの背景を存分に味わわせてくれた。神村演じる桜子は、演技への不安と怒りと自信を、グラデーションも豊かになった表情で表現してくれた。こみつじょう演じる貴族種・ハイネは気品が格段にアップし、その従者たる鈴木千菜実と沖田桃果の二人は、山のフドウのような強烈な威圧感を発っしている。鈴木の声は、声質だけでなく、発声についても高次元でまとまっており素晴らしい。
シスター役の羽柴は初舞台とは思えない美しい発声であり、ニュークス師匠(会見でそう命名された)役の草場も、老師感は充分。天音はアリスイン常連らしく、初日から安定の演技を見せているが、周りに引っ張られたか、こちらもギアがアップしていた。それは、同じく雑種バイツ・エリー役の國井も同じ。人間界の空手チャンピオンの威風を感じさせてくれた。
ドナー隊隊長吾妻のWキャスト結城美優は、昨日の錦織とはまた違う吾妻像を見せてくれた。錦織の吾妻を悲しみとすれば、対する結城は怒りだろうか。
コートニー役・長谷川は剣技が冴えわたり、ドナー隊副隊長のりお役の梅原サエリは、その美声が豊かな響きをもって会場を満たし、吾妻とはまた違う熱を味わわせてくれた。必見・必聴!
一番の成長・進化を見せてくれたのは、立川支部チーフ香澄更紗役の泉谷裕美だろうか。正直、初日のゲネ(!)では、セリフへの感情の込め方がおぼつかなく、悪く言ってしまえば棒読みに聞こえたのだが、二日目のゲネでは一転、ドナー隊のチーフとしての威厳を感じられる、感情の乗ったセリフが堪能できたのである。この感覚をつかんで離さなければ、そして身に着ければ、千秋楽までに一番大化けしそうな予感もある。
舞台「真約 魔銃ドナー」
8月18日まで、池袋シアターKASSAIにて上演中
<キャスト・シングル>
白石まゆみ 里於奈 神村風子 こみつじょう 羽柴なつみ 草場愛 河地柚奈 國井紫苑 鈴木千菜実 沖田桃果 天音 長谷川麻由 夢月 梅原サエリ 着崎花梨 東城希亜 泉谷裕美
<キャスト・変則W>
錦織めぐみ 結城美優
<キャスト・W月組>
水湊あおひ 佐々木円 増田南美 菜花まりあ 森本ゆき 佐藤真代
<キャスト・W星組>
朝倉奈珠希 須田理夏子 古川杏 琉河天 未棟友理奈 戸村美優
Commentaires