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執筆者の写真yasu

舞台「真約 魔銃ドナー」で、観るものをくぎ付けにする圧巻の芝居を魅せた「梅原サエリ」にインタビュー

 演劇カンパニーアリスインプロジェクトの最新舞台「真約 魔銃ドナー」が現在、池袋のシアターKASSAIで上演中だ。同カンパニーの人気シリーズ第6弾となる本作は、永遠の生命を持つ吸血一族・バイツと、その殲滅を図る特殊組織ドナー隊との闘いを、アクションたっぷりに描いているが、脚本・演出を担当する細川博司が紡ぐ繊細な心理描写も見逃せない1作だ。



 物語については別項のゲネレポートを参照いただくとして、ここではドナー隊の副隊長雪村りおを演じている梅原サエリにインタビューした。観る者の目をくぎ付けにする芝居だけでなく、声優としても活躍しているその美声が、まるでセイレーン(取り憑かれはしないが)のように魂を揺さぶってくれるのだ。



ゲネ初日


ゲネ二日目



――ゲネお疲れさまでした。昨日(8/7)とは別物のように皆さんの熱が高まっているのが分かりました。

 ありがとうございます。チョーうれしいです。昨日は初日ということもあって、本舞台という空気感に初めて触れた人も多かったと思うんです。でも、開幕したことで、より気が引き締まった印象ですし、なにより重たいテーマを扱った作品ですので、そこで描かれる命の重みとか、仲間を思いやる気持ちとかが、さらに一段と高まって、それが観てくださった皆さんに伝わったのかなって感じています。


――チーフ役の泉谷さんとは、結構アイコンタクトしているように見えました。

 そうなんです。結構目が合うんですよ。私が泣きそうになるシーンが何ヵ所かあって、その時の目が合うと、涙目になってくれているんです。そういうやりとりが、今後もっと増えていったらいいなって思います。


――アリスインプロジェクトは何作目でしょう?

 今回で4作目になります。「名探偵はじめました!2017」(2017年)が初めてで、以後「最果ての星~アリスインデッドリースクール外伝~」(2018年)、「アドリブ心理劇ドナー・イレブン」(2018年)ときて、今回初めてシングルキャストをいただきました!


――演じられた雪村りおの役づくりは?

 最初に言われたのは、ほかのキャラは結構熱血漢みたいな感じで、周りが見えなくなりがちだけど、りおは冷静で、落ち着いて判断ができる子、というものだったんです。なので、判断するためには皆のことを見なくちゃいけないじゃないですか。そこで、吾妻隊を全員家族だと思うようにして役を作っていきました。


――冷静な割には隊長(吾妻)と同じぐらい熱かったです。

 そうなんです。でもそれは、(家族と思っている)仲間が傷つけられたからなので、どうしても黙っていられなくなっちゃうんです。


――少しネタバレしますが、貴族バイツ・ハイネからの撤退を決めたのは?

 何をしても太刀打ちできない状況下にあって、このままだと本当に全滅してしまと判断したからなんです。そのまま(戦闘を)続ければ、絶対に神酒は限度以上に血を(弾に)込めてしまうし、実は神酒が来る前は(吾妻)レイカも同じタイプだったと述懐するシーンがあるように、みんな死ぬまで戦いを止めないだろうなっていう想像がりおの中ではできてしまったので、ここは私がとめなくちゃいけない、ということですね。



――また、ラストの方では、撃たれて瀕死の状態に陥りますが、そこでもりおらしい行動をとります。

 私もりおらしいなって思いました。ほかの子だったら、無理しても戦い続けると思うんですけど、りおはやはり、この状況では足手まといになってしまうし、それ以上に、大事なことを神酒に伝えないといけない、という使命感がとても強かったんですね。


 自分が瀕死の状態であっても、(ドナー隊の)遠野ゆうき(着崎花梨)には、(この状況を)チーフに知らせに行けっていう指示を出すように、本当にその場その場の状況判断ができるんだなって、感心しています。私もそうなりたいです。


――伝えきって死んでしまったのかな、と思いきや。

 うふふふ、ドナー隊はみんなチョー強いんですよ。


――ご自身で印象に残っているのは?

 やはり撤退を促すシーンですね。一番りおらしさが出ていると思います。それがなければ、その後の展開もまた、変わってしまうんだろうなっていう気がしています。


――ちなみに、りおは気丈で任務に忠実ですが、梅原さんご自身は?

 すごい泣き虫です。舞台も、たくさん出させていただいているんですけど、稽古中に泣かなかったことがほとんどなくて……。


――白石さんは、会見とゲネ初日の会見で泣いていましたが、梅原さんの泣いているところは見たことがありません。

 実は最終稽古の時に泣いてしまって。それも、泣いているのはまさかの、まゆみん(白石)と私だけで(笑)。もともと、初演のドナーを客席で観ていて、当時はまだお芝居でも役をもらえない状況だったので、こうしてそのドナーに出ているんだって思ったら、すごくうれしくなってしまって、気が付いたら泣いていたんです。


――では、次は主役で。

 はい、それを目標に頑張ります。


――最後に、告知があればお願いします。

 9月11日から、メグルキカクさんの「望むツキに想ひをヒメて」に出演させていただきます(@テアトルBONBON)。よろしくお願いします。


舞台「真約 魔銃ドナー」

8月18日まで、池袋シアターKASSAIにて上演中

<キャスト・シングル>

白石まゆみ 里於奈 神村風子 こみつじょう 羽柴なつみ 草場愛 河地柚奈 國井紫苑 鈴木千菜実 沖田桃果 天音 長谷川麻由 夢月 梅原サエリ 着崎花梨 東城希亜 泉谷裕美

<キャスト・変則W>

錦織めぐみ 結城美優

<キャスト・W月組>

水湊あおひ 佐々木円 増田南美 菜花まりあ 森本ゆき 佐藤真代

<キャスト・W星組>

朝倉奈珠希 須田理夏子 古川杏 琉河天 未棟友理奈 戸村美優





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