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  • 執筆者の写真原田和典

「最新のステージが、いつも最高のWHY@DOLLです。最後まで成長し続けます」。その言葉通りの充実したパフォーマンスを、アコースティックライヴで披露

 11月をもって活動を終了するヴォーカル・デュオ、WHY@DOLLが9月24日、東京・渋谷Gladにて定期公演「WHY@DOLLレギュラー公演~Two sides glowing up~vol.12」を開催した。第1部ではオケ(伴奏トラック)を使用したダンスライブ、第2部では生バンドによるアコースティックライブが行われた。ここでは第2部をレポートしたい。



 共演メンバーは大久達朗(アコースティック・ギター、バンマス)、鳴海克泰(ベース)、神保洋平(パーカッション)、PITARI(キーボード)、石井裕太(サックス、フルート)。1曲目は、もともとディスコ調だった「Magic Motion No.5」をボサノヴァ風のアレンジで軽やかに。“レッツゴー”“ウォンチュー”等のフレーズも、どこかエレガントに聴こえる。正直申し上げて、この曲の一部に、半音ぐらい上ずった歌唱があったり、ハモリがうまく調和していないように感じられるところもあったものの、そこはやはりプロとして豊富なキャリアを積んできたWHY@DOLLだけあって、曲が進むにつれてどんどん調子を取り戻していく。とくに浦谷はるなのヴォーカルは、カメラマンのヤス氏が「さらにリズム感が良くなって、聴き惚れてしまった」と語るほどの充実ぶり。聞けばサックスの石井裕太からブレスを学んでいるのだという。そういえばフランク・シナトラもトロンボーン奏者トミー・ドーシーから呼吸を学んだそうではないか。最後の最後まで前進意欲を失わないのが、WHY@DOLLの良さなのだ。



 つづいては午後8時開演という“大人の時間”にぴったりの、ジャジーな曲を集めたセット。とはいえドラマーがいないので、いわゆるシンバル・レガートで4ビートを刻むスウィング調というわけではない。「Show Me Your Smile」、「Ringing Bells」、そして「パウダースノウ」と3曲を続けた。「パウダースノウ」はクリスマスソングなので本来なら“早すぎるのでは”といいたいところだが、今年の12月にはもうWHY@DOLLは稼働していないので、“わざわざこの時期にこの曲を聴かせてくれてありがとう”という感謝の気持ちが沸き起こる。「自然にハモリが出て、勝手に体が動いてしまった」と、ジャジーなサウンドにふたりは大喜びだ。


 青木千春のソロ「Hello Hello Hello」では石井の抒情的なフルートもフィーチャーされ、やはり青木ソロ用の楽曲である「Forever」では浦谷が控え目なハーモニーをつける。その位置関係は「忘れないで」で逆転し、さらに浦谷のフェイヴァリット・ソングである「Notice Me」が披露される。再びジャジーな空気が場内に充満したあとは、「Dreamin' Night」と「Tactics」をシックに。緻密なヴォーカルとコーラスと、バンド・メンバーが触発しあいながら、よりよい音楽をつくりあげるべく一丸となっている印象を受けた(「Tactics」における石井の噴きあげるようなアドリブは、間違いなくふたりのシンガーにインスパイアされていたはずだ)。



 アンコールの「Sweet Vinegar」が、また聴きものだった。“きっと”“きっと”という部分をエモーショナルに掛け合ったあと“伝えたいから”と歌ったところで、舞台が暗転、明るくなるとミラーボールが回り出すタイミングも絶妙だった。音響スタッフはもちろん、照明スタッフもWHY@DOLLの音楽を熟知したうえで、いっそうよりよい形でライブを届けたいと作業にあたっているのだろう。


 「WHY@DOLLラストライブツアー~We are always here for you~」は、9月29日開催の愛知・RAD HALL公演からスタート(昼の部はダンス、夜の部はバンド)。この日から、ツアー会場限定のフォトブックも販売される。お互いがカメラマンとなって撮影した写真や、台湾、北海道、鎌倉などでのショットもあり。歴代衣装を着たフォトや、ふたりによる対談も収められた盛りだくさんの内容であるという。またラストアルバム『@LBUM ~Selection 2014-2019~』も11月5日に発売される。


 「最新のステージが、いつも最高のWHY@DOLLです。最後まで成長し続けます」と語るWHY@DOLL。ラストスパートに突入したふたりのステージを、ひとつでも多く体感していただきたい。


●主なライブ日程

9/28(土) CROSS OVER FES Ladies 1 12:00/17:00 @大須Dt.BLD2F

9/29(日) WHY@DOLLラストライブツアー~We are always here for you~

      13:00/18:30 @RAD HALL(名古屋)



@JAM EXPO2019


TIF2019


@JAM EXPO2018



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