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  • 執筆者の写真yasu

「九州女子翼」、22回目の定期公演をAKIBAカルチャーズ劇場で披露。歌唱力、ダンスパフォーマンスのレベルアップを実現し、感動を呼び起こすステージングを魅せてくれた

 九州発の5人組ガールズグループ九州女子翼が10月15日、秋葉原のAKIBAカルチャーズ劇場での月一定期公演「九州女子翼定期公演 第二十二片 in TOKYO」を開催。この日はなんと、メンバー新谷香苗(しんがい かなえ)の20歳の誕生日当日! 本人は「誕生日に東京で定期を開くことができて、本当に幸せです」と、その顔に満面の笑みをたたえながらコメントしていた。


 昨年の7月に始まった東京定期も、今回で16回目。年内いっぱいの延長が決まったので、本日を含めてあと3回のステージを東京で堪能できる計算だ。前回の記事でも書いたように、個人のパフォーマンスアップがグループのレベルアップにつながるという相乗効果を達成しており、今回は特に、音程とメロディの把握、そして歌詞への感情の込め方が格段に上達したと感じられるステージとなっていた。中でも、前回も書いたが鈴川瑠菜のパフォ―マンス中の進化は著しく、表情はもとより(さらにかわいくなった)音程の確保が格段にうまくなり、難曲「Merry Go Round」の歌い出しは、CDバージョンを上回る境地に達したと言えよう。素晴らしい。


 さて、1幕目はメンバーの素がむき出しになるというか、素しか見られないクイズ大会「クイズジョシオネア」だ。今回の景品や質問内容には、だいぶ天の声の遊びが入っているようで、(メンバーの)知られざる一面を識れる、だけでなく、ファンには爆笑と気づきを与えてくれるものとなっていた。



 結果を先に書いてしまえば、なんと10問をクリアし、見事「美味しいお肉」をゲット。今回、笑いを取ったのは実玖。気をはいたのは詩絵里だろうか。実玖は4問目に出題された「事務所が一番たいへんだったのは?」の問いの選択肢に含まれる「実玖の世話」に不満の顔をしながらも、見事正解。ファン的には「実玖の世話」だと思うのだが(笑)。


 詩絵里は男気を見せ、ある意味1幕目の罰ゲームとなっていた「萌えゼリフ」(回答サポートの権利行使として)を自ら選択。これまでは絶対にやりたくない、と駄々をこねていたのだが、「定期公演は成長をお見せする場なので、やります」と覇気も充分。「めっちゃ好きばい 詩絵里のこと ずっと見とってね」と長崎弁を全開にしたセリフを発し、会場に集まったファンを方言萌えに溺れさせていた(爆)。



 2幕目はソロカバーコーナーだ。今回は事務所セレクトということで、これまでに歌ったことのある曲が選ばれており、その意味では、各々の成長を感じられる構成となっていた。



 トップバッターの鈴川は80年代のアイドル歌謡で鍛えた歌声で、先述したように音程やメロディがばっちり決まり、そこに感情の乗ったセリフが感動を誘う。20歳になったばかりの新谷は、超音波ボイスはそのままに、躍動感のある音程が楽しめた。愛理は歌詞に感情がほとばしり、スーパー愛理もすでにver4あたりまで進化してきた印象。リアルJKのキラー制服に、全身のバネを使った跳躍と、魅せるステージも存分に構築してくれた。今月21歳になった実玖は、セクシー番長として衣装を上回る妖艶さを発揮し、圧倒的なステージングを披露。オールカバーのリサイタルも期待したくなる。詩絵里は、音程もメロディも把握するのが難しい曲を、見事に歌こなしており、女子翼の母としての存在感を放っていた。



 そうした各自の成長が、定期のオリジナルソング「ぎゅっと手を繋いで」のパフォーマンスアップにもつながっており、ソロパートも斉唱パートも厚みのある歌声が堪能できた次第。と、通常はここで2幕目が終わるのだが、会場からは、本日誕生日を迎えた新谷香苗への熱いアンコール(?)が! 新谷は「しんたに」ではなく「しんがい」と読むのだが、会場からは大きな「しんたに」コールが巻き起こり、それに応えてメンバーが今一度登場。一度聴いたら絶対に忘れられない、新谷香苗のソロ(替え歌)代表曲とも言えるアノ名曲を熱唱。「しんがいのこと しんたにって言うな♪」というフレーズは、一生耳を離れないだろう。将来のサードアルバムに収録してほしいと思う。



 さて、3幕目は待望のオリジナル楽曲によるライブ本編だ。「TAKE WING」は歌い出しの実玖の自信にあふれた歌声に酔いしれ、続く「絶対零度」でも、歌い出しの詩絵里の充実ボイスは感動を呼び起こしてくれるほど。最新曲であると同時に、女子翼楽曲の中では現状最難度のものと言える「Merry Go Round」も、歌い出しの鈴川のハマり具合は極上のもの。最近はMC部分でうるさいぐらい(失礼)トークに絡んでくるのだが、そうした前に出る精神はステージングに対する自信から発したもののようで、しっかりとパフォーマンスにも反映されているのが分かる。逆に、パフォーマンスの向上によって、新たな課題が浮かび上がってきた印象も受けた。メンバー全員に当てはまることだが、発声というか声の太さと言うべきか、より腹式発声が求められるレベルに達してきたと言えそうだ。ちなみにダンスについては、どのメンバーも体幹の安定度(スカートがフワッときれいに上がる)がもう一段アップしたようで、体のキレや立ち姿の美しさにそれを感じ取ることができた。






 続く「Maybe Darling」「fruits music」「fair wind」では一転、会場を和ませ、楽しげな雰囲気を醸成し、「うおーおーおーおーおー」のフレーズをもって会場の一体感を促し、オーラスの「空への咆哮」へとなだれ込んでいく。「Welcome To The Music」と並んで、筑田楽曲最高峰とも言える荘厳で感動的でメロディアスな本曲も、さらにメンバーの魂が付加され、極上の仕上がりに。歌い出しの実玖の気合、続く香苗の生命の咆哮が感動を呼び起こし、メンバー5人の躍動が楽曲の存在をさらに高みへと押し上げてくれる。


 今回、絶対に満員(ソールドアウト)にすると意気込み、メンバーそれぞれができることを最大限行動した。が、天候が味方してくれなかった。だがしかし、次回11月5日(火)の定期こそは、ここまでの高みに達したパフォーマンスに天が応えてくれるはずだ。気になった方は、ぜひ。



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