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執筆者の写真原田和典

「WHY@DOLL」、8年5ヵ月間の集大成となるラスト・コンサートを開催。ほわどるに会えてほんとうによかった(中編~11月24日 1部~)

 11月24日の公演についてはニコニコ生放送で中継されていたし、来年2月ごろブルーレイで発売される予定もある。この日はこれまでの持ち曲すべてを2つのステージにわけて披露するという、超大盛のプログラム。フルコーラスではないものもあったが、個人的に初めて聴く曲も多々あり、WHY@DOLLの大回顧展に立ち会っているような気分にもなった。



11月23日 BAND LIVE編の記事はコチラ


<11月24日 14時開演の部>

01 サンライズ!~君がくれた希望~

02 CANDY LOVE

03 ベクトル

04 曖昧MOON

05 あなただけ今晩は

06 GAME

07 トラベリンバンド

08 好きだよ

09 青春チャイム

10 ユメミルツバサ

11 恋はシュビドゥビドゥバ!

12 Promises, Promises

13 バニラシェイク

14 向日葵

15 Hello Hello Hello(青木ソロ)

16 忘れないで(浦谷ソロ)

17 初恋☆キラーチューン

18 ジェットコースター

19 Dancin' For Broken Hearts

20 Magic Motion No.5

21 キミはSteady

22 Blue Summer

23 秒速Party Night

24 It’s all right!!

25 旅立ち

<アンコール>

26 clover

27 ふたりで生きてゆければ


 昼の部の開演前には、これまでの歩みをたどる映像がスクリーンに映し出された。ぼくは2012年5月に札幌「mole」でまだ現メンバーになっていないWHY@DOLLを初めて見て、その後、いつだったか忘れたけれど東京でアイリス(仙台出身、元テクプリのメンバー3人で結成。「シークレットマジック」というすごいナンバーを残した)等も出た新進アイドルのイベントでも見た覚えがある。



 ステレオサウンド・オンラインにレポートを書くようになったのは「clover」のリリース前だから2015年の夏ぐらいからか。以来、ひとつひとつの楽曲、ひとつひとつのステージが本当に楽しみだったのだが、このビデオを見た者は誰も、それぞれ自分の中のWHY@DOLL史を思いながら、ある種の感慨に浸っていたに違いない。


 ふたりは、11月5日にリリースされたラスト・コンピレーション・アルバム『@LBUM ~Selection 2014-2019~』と同じ純白のドレスを着て登場。グループ名は当初、メンバーが雪国出身のため“ホワイトドール”になる案もあった、という話をぼくはどこかで聞いたことがある。しかし、約8年間にわたる活動の中で白の衣装を着る機会は意外なほど多くなかったという。



 浦谷がこれまで恐らく数百回続けてきた「CANDY LOVE」恒例のコール&レスポンスも、今回で本当に最後。“ほわどる、ファミリー、いつまでも、大好き!”というフレーズを、ファンと掛け合った。“レコーディングではとにかくけだるく、大人っぽく歌った”という「あなただけ今晩は」も、この日はいつにも増して濃厚だ。ここまでレイジーになれるのかと驚かされるほどの浦谷の歌声、持ち前のかわいらしい声質にウィスパー成分を加味して悩殺にかかる青木の歌声、それらがソロになったりアンサンブルになったりしながら、聴き手の耳を潤す。かと思えば二人が“恋のライバル”に扮する「GAME」ではひたすら歯切れよく、切れの良いダンスも含めて、目の覚めるようなパフォーマンス。前日のバンド・ライヴには登場しなかった手書きのラブレター(この趣向も今回で最後なのだ)も、しっかりファンに手渡された。


 このラスト・ライヴで新たに感銘を受けたことのひとつが、「好きだよ」、「青春チャイム」、「ユメミルツバサ」など札幌時代のナンバーにおける観客の熱狂的なエキサイトメントだ。上京後以降の楽曲とは毛色の異なる、なんというかひたすらアッパーなアイドル・ポップスなのだが、“ちはるー”、“はるなー”、“はいせーの”、“オーッ、フッフー”、“オイ、オイ”等のコールや手拍子が実に入れやすい。客席を見渡すと、おそらく活動初期に販売されていたのであろう濃いピンクのTシャツを着たファンも多く、青木も浦谷も活動初期に戻ったかのように、少女のようにピョンピョン跳ねて当時の振り付けを再現、“まさしく少女アイドルに作られた”的な歌詞をはつらつと歌った。



 前日はバンド伴奏で披露された「Dancin' For Broken Hearts」の、オケ伴奏ヴァージョンも個人的には耳をひいた。1985年ごろのスタイル・カウンシルや佐野元春を思わせるバック・トラックなのだが、そこにさりげなくラテン音楽の核である“2・3クラーベ”が紛れ込んでいるのが面白いところだ。

(※11月24日 2部の模様は後編に続く)


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